男たちの野生の王国 ステーキ共和国




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 ステーキ共和国という、わくわく感あふれるネーミングのこのお店は、わかりやすく言うとステーキ屋である。
 幕張駅から歩いて14号線との交差点をわたると、右手に看板が見えてくる。いちおう専用駐車場もあるので、車で来ることも可能だ。
 ドアには何故かケロロ軍曹のシールがべたべた貼ってあってあやしい感じだが、店内もまああやしい。うすぐらい店内では、人々がもしゃもしゃと肉と野菜を貪り食っているのだ。
 そんな雰囲気にめげず、入店してステーキやハンバーグなどを注文すると、もれなくサラダバーがついてくる。サラダバーにもホットコーヒーがついてくるので、よっぽどいろいろ飲みたいという人以外はドリンクバーを合わせて注文する必要はないだろう。店員が執拗にドリンクバーを奨めてくるので、いらない人はうまくかわそう。
 メインディッシュができあがるまで、サラダバーをどうぞ、と言われるので、好きなものを取ろう。全メニューにサラダバーがついているのだ。
 この店のサラダバーは、ファミレスにあるようなサラダバーとは破壊力が違う。初心者はついついとりすぎて、メインディッシュが食えなくなってしまうほどだ。私は食えなくなってたいそう苦しんだ。はっきり言って、サラダバーだけで、充分満足できてしまう。
 サラダバーには、サラダに加え、バターライス、肉たっぷりのスープなどが取り揃えられている。特に、肉スープは、「カリブの海賊スープ」という、冒険心をそそる素晴らしい名前がついており、おいしいからと調子に乗って飲んだ冒険者たちは、メインディッシュの肉が確実に食えなくなる。気をつけよう。
 メインディッシュをクリアしても、安心するのは早い。まだデザートが残っている。
 ゼリー類はまあ、さほど驚異ではないが、目玉は「ワッフル」だ。なんと液状のワッフルのもとを自分の手で焼いて、ワッフルを作り、そこに生クリームやジャムなどを好きなように盛りつけられるのだ。
 これが恐ろしい。妻の前でやったなら、確実に怒られるほど、アホみたいな量の生クリームをドバァッと乗せてもOK。ああ、なんて楽しいんだろうか。おかわり自由と言われたら、そりゃあ一回はやりたくなるだろう。一回やれば二回、二回やれば三回と、もはや抜けだすことなど不可能な蟻地獄である。
 結果、私の腹の肉は、主にぜい肉で量をまし、ベルトの穴がひとつ、ふたつと外側にずれていくというわけなのだ。
 くれぐれも心してかかろう。落ち着いた大人の心を持たぬ者は、午後の活動に確実に支障を来すほどの量を胃に詰め込み、後悔することになる。
 ちなみに私が午後に支障をきたしたのは一度や二度ではない。もういい加減にしないと、と思いながら、次に行くときも午後に支障を来すことだろう。
 予算は平日なら1000円ちょい、土日はランチメニューがないらしく、1500円くらいといったところか。
 京成大久保周辺にもステーキ王国があるので、一度試しに行って、食いすぎて苦しんでくればいいと思う。