千葉そごうに出かけたときのこと。
「なに食べたい?」
「なんでもいいよ。おいしいものなら」
という、いつもの無茶ぶりが妻から私に投げかけられた。それは「なんでもいい」とは言わない。ここでマクドナルドに入ったらどうなるかな。また小さなバトルが勃発するのかなとか考えつつ、ぼーっとしていたが、妻の希望で混んでる中華系の店に入った。
混んでる店、めんどくせぇ。ガラッガラで、誰もいないような店で、しかもおいしいとこに行きたい。私のこの希望も相当な無茶ぶりだ。
しばし並んで、店内へ。
店はしょうろんぽうカフェ、えー、店の名前は初見では絶対読めない難解な名前の店で、今調べたら
ジンディンロウという読み方の店だった。
▲読めないし書けない店名
女性客が多い。妻によると、女性客が多い店はおいしい、とのことだ。へいへいそうですか。
飲茶っぽいものを色々食べられる店のようで、とくに小籠包(しょうろんぽう)がおすすめのようだ。だって、小籠包カフェとか書いてあるくらいだから。
そんなわけで、小籠包とか、しゅうまいとか、春巻きとかを注文。
しばらくして、それらがやってくる。
しょうろんぽうの食べ方は、まず、袋を破らないようにレンゲの上に小籠包を乗っけて、黒酢をかける。
▲上品ぶった食べ方で小籠包をいただく…と!?
ええ、黒酢かけちゃうの?酸っぱくなっちゃうんじゃないの、と思ったが、ひとまずしきたりに従っておこう。
そして次に、ハシで小籠包を破る。
ええっ、破るの? さっきは破らないように苦労したのに。まあ、いい。しきたりしきたり。
当然、中からスープがじゅわっとでてくる。そしてこれを、すすって飲めということだ。
うーん、まあ、試してみよう。
おっ?
微妙に酢の効いた小籠包からしみ出してきたのは、あっさり感ただよう、上品なスープだった。
あっという間にスープを飲み干し、続いて本体のしょうろんぽうをがぶり。
お、皮がもちもちしてうまい。なんだうまいじゃないか。行列には理由があるということか。
その後食べたシュウマイもまあまあおいしく、春巻きは、んー、ふつうだった。
▲まあ普通だった春雨
まだ腹に余裕のある我々は、小籠包を追加注文した。
▲あっという間になくなってしまう小籠包
レンゲにのせ、酢をかけ、皮を破り、スープをすすってから本体を食う。
なんだ、しゃらくせぇなと思っていた手順だったが、今や、そうやって食べなくては小籠包の真価を発揮できないのでは、と思われた。
スープを先にすすっておくことで、口の中を大やけどすることもない。
まことに理にかなった食べ方であった。
おみごと。
そういうわけで、この店に行く人は、若干めんどくさくても、そうやって食べてみるといいだろう。
小籠包を注文すると、店員が食べ方を説明しましょうか、と聞いてくるので、素直に「はい」と言って教えてもらえばOKだ。
ところでこの店、幕張本郷からは離れすぎてね?と思ったけども、まあいいか。千葉そごうに出かけて、女の子から「おいしいものが食べたーい」とか、言われて困ったら、とりあえずここに連れていけばいいんじゃないだろうか。